母乳の出る仕組み

乳房の大きさは母乳の出具合に関係ありません。その理由は乳房の大きさは脂肪の量の違いで、乳腺組織の数とは無関係なものだからです。統計的にいうと、96~99%の女性は母乳での保育が可能と考えられています。分娩で胎盤が外に出てしまうとホルモン環境が急激に変わり、母体は母乳分泌に向けての準備が早速始まり、そこに生まれたての赤ちゃんが乳首を吸うことで刺激が加わり、母乳生産のスイッチが入るのです。出産後の数日間は母乳を出すためのゴールデンアワーといわれているのはそのようなわけです。

母乳が作られるようになるのに加えて、血液やリンパ液が乳房へ多く流れるようになり、出産後2~3日経つと乳房は急に張ってくるようになります。乳首を吸われると刺激が母親の脳に伝わり、脳下垂体から2種類のホルモンが分泌されます。一つは母乳の生産に関わるプロラクチンで、もう一つは作られた母乳を噴出させるオキシトシンです。プロラクチンは出産後授乳をしないと1~2週間で血中濃度が妊娠前のレベルに低下してしまいますし、授乳していても3か月を過ぎると分泌量は低下し、授乳した分だけ分泌されるようになります。
ですから、母乳の分泌量を減らさないようにするためには1日少なくとも8回の授乳をする必要があるといわれています。

母乳育児について

昭和40年代は粉ミルクでの育児が全盛期でした。それは、実際にミルクで育った赤ちゃんのほうが体重も重くふっくらしていたため、母乳より人工的に考えられて作られたミルクのほうが栄養価も高く赤ちゃんによいと考えられていたからです。そして母乳で育てるのは古臭いといった風潮で母乳での育児は廃っていきました。

しかしその後、母乳自体のよさが注目されるようになり、現在は出産前の9割の母親は母乳で育てたいと思うようになりました。2005年厚生労働省の発表によると母乳と混合栄養を与える割合の調査で母乳が人工栄養の割合を上回りました。しかし、母乳だけで育てたいと思いながらも、実際に母乳だけで育てた人の割合は産後0か月で半数、産後3か月では3割程度となってしまっているように、様々な要因で母乳育児を断念している人が多くいるのです。その理由としては赤ちゃんが嫌がって吸わない、乳首に傷などができ痛くて飲ませられない、乳腺炎になってしまった、母親の疲労がひどく授乳ができない、母乳の出が悪い、仕事で赤ちゃんと一緒にいられない、母乳育児の仕方がわからないなど様々です。

母乳は赤ちゃんが乳首を吸ってくれれば出る仕組みになっているので、ミルクも併用して身体を休めながら、あきらめず、あせらずにあげることが大切です。母乳の出方は個人差があるので、自分のペースで行うようにしましょう。

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メリットとデメリット

赤ちゃんを出産すると多くの母親は母乳育児を希望します。それは母乳には多くのメリットがあるといわれているためですが、ここでそのメリット、デメリットについてみていきましょう。

まず母乳は消化吸収がよく、浸透圧が血液と同じなため、もし間違って気管に入ってしまっても安全です。そのほかに、母乳には赤ちゃんを感染から守る作用、抗菌作用や抗アレルギー作用もあるうえ、人工栄養には含まれない免疫抗体、ホルモン、生きた細胞や酵素などが含まれています。また、腸内の乳酸菌などを増やすので、母乳で育つと胃腸の丈夫な赤ちゃんになります。赤ちゃんの成長に合わせ、母乳の成分は少しずつ変化し、必要なビタミンや、たんぱく質、ミネラルなどを摂取できます。1回の授乳でも最初は水分が多く薄く、終わりのほうには脂質が多くこってりした味になるので、自然に赤ちゃんは満腹になり、飲みすぎるということがありません。

その他に母乳のメリットとしては飲ませたい時にいつでも授乳でき、調乳の手間がないので、衛生面に気を付ける必要がないことや、外出、旅行、災害時などでも特別な道具が必要ないので困ることがないことなどがあります。またデメリットとしては、授乳を別の人に代わってもらうことができず、授乳しない時間が長時間になるとお乳が張ってしまいますし、夜間にも起きて授乳しなければなりません。母親の食事や水分の摂り方がお乳の出方に影響することや病気、ストレス、睡眠不足など母親の体調が影響し、母親が病気になっても薬を服用できないこともデメリットといえるでしょう。